プレコングレスは一般公開企画(参加費無料・大会参加登録不要)です。プレコングレスへの参加はページ下の【プレコングレスへの参加登録はこちら】よりお申し込みください(本イベントは終了いたしました)。なお、学術集会に参加登録されている方も別途登録が必要となります。皆様お誘いあわせの上、奮ってご参加ください。

会期・会場

日時:8月4日 (金) 17:30 〜 20:00
会場:A&Hホール
〒560-0082 大阪府豊中市新千里東町1丁目5-3 千里朝日阪急ビル4階
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テーマ

子育て支援者・当事者としての「リテラシー」を育むために
〜子育ての「これってほんと?」に答えたい!〜

 今日、SNSの普及とともに、子育てにまつわる多種多様な情報が盛んに発信されるようになってきています。最近ではデジタルなネットワークの中で分断や誤った情報が増幅する現象に対して、自分の身を守るための情報リテラシーの重要性が叫ばれています。一方で、情報の受け手である子育ての当事者は必ずしもそうした発信の真偽や信頼性を判断するために十分な知識を持っているわけではないでしょう。
 このプレコングレスでは、社会のデジタルネットワーク化が進む中、子育て当事者や、その周辺に位置する支援者が子育てや発達、そして情報の授受に関する「リテラシー」をどのようにして育んでいけばよいのか、ということをテーマにしています。前半では、新生児科医・小児科医の立場から実際にSNSや書籍を通じてファクトフルな医療情報の発信に取り組んでいる今西洋介先生に、ご自身の取り組みとその背景にある思いについて話題提供をいただきます。それを踏まえた後半では、保育実践、子育て支援、発達心理学の分野から3名のパネリストを迎えて、子育てにおける支援者と当事者双方のリテラシーを育むために必要なこと、求められるスキル、想定される困難とその対応をフロアも交えて議論します。

座長

麦谷 綾子(日本女子大学)

演者

今西 洋介(一般社団法人チャイルドリテラシー協会)
知ることで助かる命がある〜小児医療とSNS医療発信の立場から〜

 ネットやSNSで噂やデマを含めて大量の情報で溢れかえっています。そんな目の前にある情報が科学的に正確な情報なのかどうか、我々は自分の目や耳や頭で判断しないといけない時代になりました。2019年から始まった新型コロナウイルス感染症の拡大によって、この傾向はより顕著になりました。2020年2月世界保健機関(WHO)はこの状態をinfo-demic(インフォデミック)と呼び、注意喚起しました。
 「情報の格差が健康の格差になる」事は、公衆衛生学の世界では以前から指摘されています。特に育児に関しては既に情報の格差は認めており、子どもを育てる環境は年々過酷な状況になっていると言わざるを得ません。専門職はともかく、専門知識のない世間の親御さんがこれらを的確に判断できる力がいま求められています。行動科学に基づいたアプローチに基づいて、情報を求めている層と関心がない層にどう情報を届けていくか。これは専門職や有識者の中でも議論していく必要があると、小児医療現場にいる立場として強く感じます。

小澤 いぶき(認定NPO法人PIECES)

楢崎 雅(社会福祉法人摩耶福祉会幼保連携型認定こども園るんびにこどもえん)

遠藤 利彦(東京大学)